研究総合解析センターの使い方
(1)バイオ系キーワード検索
キーワードを入力して目的の検索ボタンを押すことにより、以下のような情報を検索できる。
分類 検索ボタン
用語 ライフサイエンス辞書・・・生命科学用語の辞書であり、「共起リスト」のリンクに飛べば使用例が表示されるので論文を書く場合などに有用なツールである。
ウィキペディア百科・・・基本方針に賛同した人なら誰でも記事を編集できる参加型WEB百科事典のこと。内容の信頼性には注意を要するが、様々な専門用語などの解説があるので有用である。
MeSH・・・MeSH「メッシュ」とは、「Medical Subject Headings」の略で、アメリカの国立医学図書館が見出し語として作成し、医学用語をできるだけ統一して使えるようにまとめらた用語集である。
文献検索 PubMed・・・米国の,NIH(National Institute of Health、国立衛生研究所)の下にあるNLM(National Library of Medicine:国立医学図書館)が、世界約70カ国4500誌以上の医学文献データベース[Medline」を検索できるように公開しているシステムのこと。キーワード、著者名、論文タイトル、発表年などから、文献を検索できる。医学に限らず、生物系・農学系といったバイオ関係の文献が幅広く収録されている。
PMC・・・PMCとは「PubMed Central」の略で、アメリカ国立医学図書館(National Library of Medicine)の収集している生化学と生命科学に関する全文が閲覧できる電子ジャーナルのデータベース。PubMedは要旨までしか閲覧出来ないのに対し、PMCは無料で全文を見ることができる。
メディカルオンライン・・・日本の医学会誌・学術専門誌を統合し、文献検索、アブストラクト閲覧、文献を全文配信する医学・医療の総合サイトである。会員登録しなくても検索はできるので、これで検索して図書館に行くのが一つの方法である。要旨や全文を読むためには料金が発生するが、大学などの組織で加入している場合には、法人専用の入り口からアクセスすれば個人に料金は発生しない。
医中誌WEB・・・大学・学協会・研究所・病院などから発行されている雑誌、営業誌、学会等の会議録、講演集、公共資料などの定期刊行物、約4,700誌を収録しているデータベースで、ここでは無料のデモ版が検索できる。要旨や全文を読むためには料金が発生するが、大学などの組織で加入している場合には、法人専用の入り口からアクセスすれば個人に料金は発生しない。
DNA情報検索 Gene・・・NLM(National Library of Medicine:国立医学図書館)の一部門の、NCBI (National Center for Biotechnology Information、国立バイオテクノロジー情報センター)が提供する遺伝子情報データベース。遺伝子名で、NCBI内の様々な情報がまとめられていて、遺伝子ごとの多量なリンクが集約されている。
Nucleotide・・・NCBIが提供するDNA配列データベースで、様々なデータベースから収集したDNA配列情報を検索できる。
GEO_Profiles・・・GEOは「Gene Expression Omnibus」の略で、NCBIが提供する遺伝子発現情報を遺伝子ごとに検索できる。
GEO_Datasets・・・GEOは「Gene Expression Omnibus」の略で、NCBIが提供する遺伝子発現情報をデータごとに検索できる。
READ・・・READは「Riken Expression Array Database」の略で、理研のマイクロアレイによる発現データベースから遺伝子発現情報を検索できる。
タンパク質情報検索 Protein・・・NCBIが提供するタンパク質・データベースで、遺伝子名で、NCBI内の様々な情報がまとめられていて、遺伝子ごとの多量なリンクが集約されている。
Structure・・・・The Molecular Modeling Database (MMDB) に登録された4万を超えるタンパクの立体構造を検索できる。
Conserved_Domains・・・PfamやSMARTなどのデータやNCBIに蓄積しているデータを含めた12.000以上のドメイン情報から検索できる。
3D_Domains・・・The Molecular Modeling Database (MMDB) のタンパク質立体構造データから自動的に収集されたコンパクトな立体構造のデータベースを検索できる。
疾病及び総合検索 OMIM・・・OMIMは「Online Mendelian Inheritance in Man」の略で、ヒトの遺伝子と遺伝病のカタログであり、遺伝子機能と疾患との関連がまとめられており、参考文献や遺伝子配列へのリンクなども充実している。
dbSNP・・・世界最大のSNPデータベース出るが、検索機能が使いにくいのが難点。この機能で検索するよりも、「Gene」で検索して遺伝子ごとのページに飛び、右側にあるLinkから「SNP: GeneView」のリンクに飛ぶと遺伝子ごとにまとめられたSNPページがある。SNP検索はrs番号などがわかっているときに使うと有効な検索機能である。
NCBI総合検索・・・NCBI (National Center for Biotechnology Information、国立バイオテクノロジー情報センター)のデータを一度に検索できるが、膨大すぎて使いにくいかも・・・
KEGG総合検索・・・KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)は膨大なデータの検索結果を、見やすく、使いやすく、整理されたスタイルで示してくれるのでおすすめ。

(2)遺伝子解析ウィンドウ
DNAまたはタンパク質配列を入力してお好みのボタンを押すことにより、以下のようなオンライン解析ができる。
分類 検索ボタン
配列処理 Select All・・・すべての配列を選択する。
Reset・・・すべての配列を消去する。
大文字・・・すべて大文字に変換する。
小文字・・・すべて小文字に変換する。
ATGC以外の排除・・・ATGC以外の文字を消去して配列を整頓する。数字や空白だけでなく、DNA配列中のNなどの文字まで削除される。なお、アミノ酸配列のときにこのボタンを押さないように!
数字空白の排除・・・文字以外の情報(数字や空白)を消去して配列を整頓する。
相補鎖・・・相補的な配列に変換する。
Primer値・・・DNAの長さ、Tm値、GC含量、分子量を計算する。
DNA配列解析 制限酵素マップ・・・「直鎖」又は「環状」を選択して「制限酵素マップ」を押すと、目的のDNA配列の制限酵素マップが表示される。
 右下にある「List」から「0 cutters」をクリックすると、切断しない酵素の一覧が表示される。「Number of cuts」を「>=0」にセットして「OK」を押せば、酵素の一覧と切断箇所数、切断位置が表示される。
 左下の「Main options」項目の上から2番目の「Custom Digest」をクリックし、切断予定の制限酵素にチェックを入れて、右下の「Digest」という緑のボタンを押す。そして、左下の「Main options」項目の上から2番目のView gel」をクリックすると電気泳動イメージがシミュレートできる。左上にある「Gel Type」を選択すれば、ゲルの濃度を変更した場合のシミュレーションもできるのでおすすめ!
TaKaRa、TOYOBO、NIPPON GENE、NEB・・・各社の制限酵素情報のページへが表示される。認識配列や反応バッファーの確認のときに便利である。
翻訳(ORFの検索)・・・ORF(Open Reading Frame=アミノ酸に翻訳される領域)を検索して水色のバーで表示する。水色のバーをクリックするとアミノ酸配列などの詳しい情報が表示される。
Primerデザイン・・・PCR、シークエンス、オリゴプローブのデザインができる。
PCR用Primerのデザイン法
(1)DNAの検出や増幅のためのPrimerをデザインしたい場合は「Detection」を選ぶ。
(2)PCR産物の希望サイズ(Product Size)について、最小値(Min)、最適値(Opt)、最大値(Max)を指定する。同様に、[Primer Size」、「Primer Tm」、「Primer GC%」を指定する。なお、わからない場合は初期値に一般的な値が入れてあるのでそのままで良い。
(3)候補として提示して欲しいプライマー数を「デザインするPrimer数」に入力して指定する。
(4)検索したいPrimer(forward primer又は、reverse primer)にチェックを入れる。初期設定では両方にチェックが入れてある。また、既に一方のPrimerが決まっている場合は、チェックを入れてその配列を入力しておく。
(5)「Primer位置から除外したい領域」や、「Primerに含めたい領域」や、「PCR産物に含めたい領域」などがある場合は、記入例を参考にして入力する。
(6)「Primerデザイン」ボタンを押すと、forward primerは青で、reverse primerは黄で表示される。
シークエンス用Primerのデザイン法
(1)シークエンス用のPrimerをデザインしたい場合は「Sequencing」を選ぶ。
(2)「Primerから読み始めまでの距離」に数字を入力し、実際にシークエンスしたい場所と、Primerの端の距離を指定する。一般的には50程度で良い。
(3)「Primer間隔」に数字を入力し、長いDNA配列上にデザインするPrimerから次のPrimerまでの間隔を設定する。一般的には400から600bp程度で良い。
(4)「Primer検索間隔」に数字を入力し、Primerを検索する間隔を指定する。
(5)逆鎖のPrimerも検索したい場合は、「逆鎖のPrimerも検索」をチェックする。
(6)逆鎖のPrimerも検索する場合は、「正鎖及び逆鎖のPrimerの間隔」に数字を入力し、それぞれのPrimerの間隔を指定する。
(7)「Primerデザイン」ボタンを押すと、forward primerは青で、reverse primerは黄で表示される。
オリゴプローブのデザイン法
(1)オリゴプローブをデザインしたい場合は「Detection」を選ぶ。
(2)プローブの希望サイズ(Hyb Oligo Size)について、最小値(Min)、最適値(Opt)、最大値(Max)を指定する。同様に、「Hyb Oligo Tm」と「Hyb Oligo GC%」を指定する。
(3)候補として提示して欲しいプライマー数を「デザインするPrimer数」に入力して指定する。
(4)「hybridization probeの検索」にチェックを入れる。初期設定ではforward primerとreverse primerにチェックが入れてあるので、これらをはずしておく。
(5)「Primerデザイン」ボタンを押すと、オリゴプローブが黒で表示される。
UCSC in silico PCR・・・UCSC(University of California Santa Cruz)のゲノムPCRシミュレーションツールである。「Genome:」からPCRをかけたい種を選択し、デザインしたForward PrimerおよびReverse Primerを貼り付ける。「Max Product Size:」を指定して「submid」ボタンを押す。
SIGMA Primer Calculator・・・SIGMA社が提供しているPrimer計算ツール。詳しくはSIGMA社のページを御覧下さい。
DNAホモロジー検索・・・「結果表示数」、「配列表示数」、「期待値」を入力し、種を選択して「DNAホモロジー検索」ボタンを押すと、受付番号が表示される。受付番号下の「View Result」ボタンを押してしばらく(数十秒から数分)待つと、DDBJから検索した類似配列のリストが表示される。
転写因子結合配列予測・・・転写因子の結合配列に似たモチーフを検索する。スコアの閾値に数字を入力し、種を選択して「転写因子結合配列予測」ボタンを押すと、転写因子の結合配列の予測結果が表示される。なお、スコアの閾値は、65から95の範囲で調整するのが一般的と考えられ、高いものほど可能性が高く、60以下は結合しない可能性が極めて高い。
アミノ酸配列解析 等電点(pI)/分子量(Mw)・・・天然同位体の平均値「Average」又は、試料分子を構成する各元素の主同位体のみからの精密質量「Monoisotopic」を選択し、「等電点(pI)/分子量(Mw)」ボタンを押す。すると、アミノ酸配列の最後に「Theoretical pI/Mw: 」として、計算上の等電点と分子量が表示される。
疎水領域の予測(膜タンパクの可能性を判定)・・・解析対象のアミノ酸配列内に膜貫通領域があるかを予測できる。膜貫通領域が存在しない場合は、「This amino acid sequence is of a SOLUBLE PROTEIN.」と表示さる。膜貫通領域が存在すると、「This amino acid sequence is of a MEMBRANE PROTEIN 」と表示され、その下に模式図も表示される。
細胞内局在予測・・・種を選択して、「細胞内局在ボタン」を押す。すると、「WoLF PSORT」と画面に表示がされ計算が行われ、自動的に「k used for kNN is: ・・・」という2行の結果表示画面が現れる。2行目の「details」以下が結果を表しており、アルファベットは場所を示し、その後の数字は存在確立を%で表示している。
略称 局在部位
chlo 葉緑体 
cyto 細胞質 
cysk 細胞骨格 
E.R. 小胞体 
extr 細胞外 
golg ゴルジ体 
lyso ライソゾーム 
mito ミトコンドリア 
nucl 核 
pero ペルオキシソーム 
plas 細胞膜 
vacu 液胞膜 
モチーフ検索・・・「E-value cutoff level」に数字を入れ、「モチーフ検索」ボタンを押す。しばらくすると「Pfam」と書かれた画面が出るので、「retrieve」ボタンを押す。すると、見つかったモチーフの模式図や、見つかったモチーフのリストが表示される。それぞのモチーフの詳細な情報へのリンクがある。
Proteinホモロジー検索・・・「結果表示数」、「配列表示数」、「期待値」を入力し、データベースを選択して「Proteinホモロジー検索」ボタンを押すと、受付番号が表示される。受付番号下の「View Result」ボタンを押してしばらく(数十秒から数分)待つと、DDBJから検索した類似配列のリストが表示される。
PREDATOR、3D-pssm、FUGUE(Ver2.0)、PSIPRED・・・アミノ酸配列からタンパク質の立体構造に関する情報を得るためのリンク。解析に時間がかかるため、メールアドレスを登録が必要となる。解析結果は、数時間後にメールで送られてくる。営利目的でない限り、登録は無料で出来る。

その他
この検索機能はそれぞれのデータベースに依存していますので、詳しい内容はそれぞれのデータベースの使用説明を御覧下さい。また、論文化作成時は、リンク先のデータベースを引用して下さい。

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