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生命科学入門
   


 生命の特徴を細かく言えばきりが無かったりしますし、生命と生命じゃないものの境界線は厳密に言えばハッキリと分けられるものではないと思います。難しく考えるのはやめて簡単に特徴を挙げると以下の3つになると思います。(1)自分とそっくりな子孫を作れる・・・これは生命にとって大切なことで、難しく言えば「自己複製能力」と言うものです。カエルの子はカエル(おたまじゃくしだけど、ちゃんとカエルになるでしょ!)というのは、後に触れる遺伝子によって決まっています。私がキムタクと同じように(?)目が2つで鼻が1つなのも遺伝子のおかげです。(2)エサを食べてフンをする・・・生命活動を営むためにはエネルギーを取り入れてし、老廃物(ゴミ)を捨てるという活動が不可欠です。難しく言えば「代謝」です。(3)しっかりとした形がある・・・お化けなどとは違って、しっかりした形があって外界と隔離されているというのも大きな特徴です。これらの3つを全て満たしていても生命であるかどうかは難しい問題なのですが、大きな特徴としてこれら3つがあるというこです。

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 私たちの身体は脳、心臓、腎臓、肝臓など様々な臓器から出来ていますが、それぞれの臓器は様々な細胞から出来ています。この細胞こそが生命の基本単位であり、酵母や大腸菌などの単細胞生物は一つの細胞だけで生命としての活動を営んでいます。細胞には様々な機能をもつ小器官と言われるものがあり、これらで役割分担をしています。その中でも特に重要なものを3つあげると、(1)核(かく)・・・体の形や生命としての基本的活動の設計図がある場所で、親の性質を子供に伝える遺伝をつかさどっています。(2)ミトコンドリア・・・エネルギーを生産する場所です。ここで作られるATP(エイ・ティー・ピー)というエネルギーを使って様々な生命活動が営まれています。(3)細胞膜・・・外界から細胞内を隔離するための膜です。ただの仕切りではなくて、必要なものを取り込んだり、ゴミを外に出したりできます。

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 さて、一つ前では細胞がどのような部品(細胞小器官)から出来ているか説明しました。ここでは、細胞がどんな材料からできているのかを説明したいと思います。細胞の種類によっても違うのですが、だいたい70%くらいは水からできています。そして、その他の重要な成分として(1)核酸(かくさん)、(2)タンパク質、(3)脂質(ししつ)があります。(1)核酸・・・核酸はDNA(ディー・エヌ・エー、デオキシリボ核酸の略)とRNA(アール・エヌ・エイ、リボ核酸の略)の2種類あって、DNAには生命の設計図が書かれています。(2)タンパク質・・・は生命活動の中心的材料となっています。細胞の形を維持するための細胞骨格(細胞の骨)はタンパク質から出来ていますし、情報を受信するために細胞膜に埋め込まれている受容体(細胞のアンテナ)もタンパク質から出来ていますし、タンパク質を必要な場所に運ぶ輸送タンパクもあります。さらに洗濯洗剤のコマーシャルで「酵素」というのを聞いた事があると思いますが、酵素というのは様々な反応が起きやすくする助手の働きをするタンパク質の総称です。酵素には汚れを分解する反応を手伝うヤツ以外にもいろいろあって、エネルギーを作る反応の助手もいれば、DNAやタンパク質を合成する反応の助手や、分子を切断する反応を手伝う助手などなど、ものすごい多くの種類の酵素が細胞内には存在します。これらの酵素もタンパク質から出来ているので、タンパク質は生命活動の中心をになう重要な要素です。(3)脂質(ししつ)・・・細胞膜は脂質から出来ています。実は細胞膜だけでなく、核やミトコンドリやなどの様々な細胞小器官にも膜があるのですが、これらの膜も脂質から出来ているのです。

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 細胞の材料として、核酸、タンパク質、脂質などがあり、中でもタンパク質というのが生命活動の中心を担う重要な物質であることを説明いたしました。ここではタンパク質が何から出来ているのか説明したいと思います。人間やネズミなどの哺乳類には3万種類以上のタンパク質があると思われますが、これらは全て20種類のアミノ酸の組み合わせで出来ています。タンパク質の性質はアミノ酸のつながっている長さ、アミノ酸の並ぶ順番の違い、アミノ酸の組み合わせの違いによって変わってきます。タンパク質の形も20種類のアミノ酸の組み合わせの違いで、細長かったり、丸かったり、凹みがあったり、実に様々な形のタンパク質が存在します。アミノ酸には、酸性のもの、中性のもの、アルカリ性のもの、水に溶けやすいもの、水に溶けにくいもの(=油にとけやすいもの)などなど色々な性質のものがあって、それぞれのアミノ酸が協力して一つのタンパク質の性質を決めています。例えば、500個のアミノ酸から出来ているタンパク質のたった一つのアミノ酸を切り取ったり、他のアミノ酸と取り替えたりするだけで、そのタンパク質の性質は全く違うものになってしまうことも少なくありません。大腸菌は三千種類、酵母は7千種類くらいのタンパク質がありますが、これらも含めて全ての生物のタンパク質は人間とと同じ20種類のアミノさんの組み合わせから出来ているのです。

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 さて、先ほどはタンパク質が20種のアミノ酸から出来ているとご説明しましたが、ここでは遺伝をつかさどるDNAが何から出来ているかについてご説明します。DNAはA(アデニン)、T(チミン)、(シトシン)、G(グアニン)という4つの記号からできています。この4つの記号には特徴があって、AはTと引っ張り合い、GはCと引っ張り合うという性質があります。そしてAとT、GとCが引っ張り合って2本の長く繋がった鎖をくっつけることによって、DNAは2本のからみあった鎖のような形になります。タンパク質の場合は性質の異なる20種類のアミノ酸の組み合わせの違いで、細長かったり、丸かったり、凹みがあったり、実に様々な形のタンパク質が存在し、それぞれのタンパク質が異なった特徴をもっているとご説明しました。しかし、DNAの場合は4つの記号の組み合わせが違っても、すべて二本の鎖が引っ張り合う形であり、性質も似ています。したがって、DNAはタンパク質に比べて非常に単純な形や性質だと言えることが出来ます。

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 さて、最近はテレビのニュースや新聞などで、「人ゲノム計画」だとか、「遺伝子治療」だとか、「DNA」というのを言葉を耳にする機会が多いと思いますが、「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」という言葉についてここでご説明しておきたいと思います。(1)ゲノム・・・ある生命の全ての遺伝情報が書かれた設計図の全体。(車の設計図に例えると、設計図の全体のこと。)(2)遺伝子・・・生命の設計図の一部で、ある一つの部品について描かれている部分のこと。(車の設計図に例えると、設計図の中でハンドルとかタイヤなどの一つの部品について描かれている部分のこと。)(3)DNA・・・生命図の設計図の材料のこと。(車の設計図に例えると、設計図の材料となっている紙のこと)。まとめると、DNAという材料を使って、一つ一つの遺伝子という部品について書かれた設計図の全体をゲノムという。ただし、DNA遺伝子やゲノムの材料であることは間違いないのですが、DNAはもう少し広い意味で使われていて、遺伝子やゲノムという意味で使われることも少なくありません。このページでも、ゲノムというと少し難しく感じてしまう人がいると思いますので、DNAという表現を多く使うようにしています。

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 DNAは4つの記号からできていて、AとT、GとCがペアになって引っ張り合う2本鎖構造になっている。そして、どんな組み合わせでも同じような2本の鎖が絡み合った形になるとご説明しました。ここではDNAが子孫に受け継がれる仕組みについてご説明したいと思います。DNAは2本鎖として非常に安定な構造を保っていますが、子孫を作るときには一時的に一本鎖になります。一本鎖になったときに、それぞれの鎖にある4つの記号は、AとT,GとCが引っ張り合うことによって、それぞれの鎖がもとと同じ2本鎖を再び作り出すことができるのです。このように、それぞれの鎖がお互いのを作り出すためのもとになります。(相補的とか鋳型になると言われます)。こうして、遺伝情報を間違うことなく子孫に子孫に伝えることができるのです。ちなみに、バラバラのAやTやGやCを貼り付けたりするために働くモノや、2本鎖のDNAを1本鎖にほどく働きをするモノがあるのですが、これらも全てタンパク質なのです。このように、タンパク質は生命活動の全ての場面で働くいろいろな種類のものがあるのです。

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 生命の設計図であるDNAには遺伝情報(カエルの子がカエルになるための情報)が書かれていると言いましたが、それでは遺伝情報の正体は何か?生命の設計図には何が描かれているのか?についてご説明したいと思います。世の中に溢れている情報からして、「DNA」ばかりが大事なように感じている人もいると思いますが、私はここまでの説明でタンパク質も重要だということを強調してきたつもりです。なぜなら、DNAに描かれているもっとも重要な情報の一つは「タンパク質を作るための設計図」だからです。実は遺伝子のほとんどすべてはタンパク質の設計図のことなのです。DNAは3文字で一つの暗号になっていて、一つのアミノ酸を指定しています。このDNAの暗号にしたがってアミノ酸をつなげていくとタンパク質ができるのです。そして、この暗号は大腸菌、酵母、カビ、クラゲ、魚、イモリ、サル、ゴキブリ、ネズミ、蝶、・・・人間などなど、全ての生物に共通の暗号が用いられています。ちなみに、全てのタンパク質はメチオニンから合成が始まります。

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 4種類の暗号からできる3文字の組み合わせは全部で64パターンです。64個の暗号は20種類の「アミノ酸」と、タンパク質の合成を終了させるための「終結シグナル」を表しています。全てタンパク質は「メチオニン」というアミノ酸から合成が始めり、「終結シグナル」が現れるまでアミノ酸をつなげていきます。例えば、アルギニンは6個の暗号が、フェニルアラニンは3つの暗号が対応していますが、なぜ、このような暗号とアミノ酸の組み合わせになったのかは、生命誕生の時の偶然の産物なのか?神のみぞ知ることです。この64種類の暗号がすべての生物で共通ということは、「全ての生命は一つの生命体より進化したもんだ」と考える根拠の一つとなっています。ちょっと難しい話をすれば、細胞の中でエネルギーを作るのに大切なミトコンドリアという細胞小器官の話をAでしました。このミトコンドリアは細胞とは違った独自のDNAを持っていて、実は我々とは一部異なる遺伝子暗号を使っているのです。したがって、ミトコンドリアは私たちとは違う祖先の生命体が、私たちの祖先の生命体の中に入り込んで細胞小器官となったものと考えられています。この話をもとにして「パラサイトイブ」というSFが作られてたんですよね。「パラサイトイブ」の映画の撮影では筑波大が使われていて、私が一生懸命実験しているときに研究室の女なの子たちは「三上博がきた!」とか言って、撮影現場を見学に行ってました。話はさらにそれますが、テレビや映画に出てくる実験室にはカラフルな赤・青・黄色の試薬がいっぱいですけど、本当の実験室の試薬の多くは無色透明で一般の方が期待しているのとは違って地味なもんです。ほとんどの試薬は見た目は水と変わりませんから。

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 さて、DNAにはタンパク質の設計図がかかれていると説明しましたが、ここで少し車の設計図のことを考えて見てください。車の設計図全体は非常に大きな紙に描かれていると思います。そして、車のような大きくて複雑なものを作るときには分業して作っています。例えば、ドアのガラスを作る下請け会社や、タイヤを作る会社があると思います。車を完成させるためには設計図の全体が必要なわけですが、ドアのガラスを作る下請け会社に車全体の設計図を渡すと、下請け会社では設計図の原本は大切に保管しておいて、必要な部分をコピーして作業員に配ります。生命の設計図でもこれと同じことが行われています。人のDNAには3万種類のタンパク質の設計図が描かれているわけですが、実際にタンパク質を合成するときには必要な部分のコピーを取って使いるのです。このコピーを取ることを「転写(てんしゃ)」と言います。そして、コピーに使われる材料(紙)としてはRNA(アール・エヌ・エイ)というものが使われます。DNAは二本鎖で非常に安定な構造であり、子孫に情報を伝えるのに適した材料ですが、RNAは一本鎖で出来ていて使い捨て用のコピーを取るのに便利な材料なのです。

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 DNAは保管用の生命の設計図であり、必要な部分だけをRNAにコピーして使うことを一つ前のページでご説明しました。RNAにコピーされた遺伝暗号を訳してアミノ酸をつなげてタンパクを作ります。このようにRNAの暗号をもとにタンパク質を作ることを「翻訳(ほんやく)」と言います。このようにしてDNAに描かれている遺伝子暗号はRNAに転写され、最終的にタンパクに翻訳されるわけです。そして、このタンパク質が様々な機能を発揮して生命活動が営まれているのです。

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 私たちの身体は非常に多くの種類の細胞からできています。例えば、私たちの血液の中には赤血球や白血球がありますし、肝臓には肝細胞、心臓には心筋細胞などなどたくさんあります。それぞれの細胞は独自の性質をもっていて、それぞれの役割が決まっています。目の水晶体の細胞は、私たちがモノを見るためのレンズの役割をしています。この細胞ではレンズのもととなるクリスタリンというタンパク質を合成しているのでレンズの役割を果たすことができるのです。脳下垂体にある細胞は体の成長を促進する命令を出す働きがありますが、これは成長ホルモンというタンパク質を作っているからです。このように各細胞の特徴的な役割はその細胞で作られているタンパク質の違いによって決まっています。たとえば、肝臓の細胞や心臓の細胞ではクリスタリンや成長ホルモンといったタンパク質は作られていません。しかしながら、人間のからだにあるほとんど全ての細胞は皆、人間の生命の設計図の原本を持っているのです。つまり、それぞれの細胞は、生命の設計図の情報を全て使っているのではなくて、設計図の中から必要な部分を必要な分だけRNAにコピーして使っているのです。

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 DNAにはタンパク質の設計図が描かれていて、体の各細胞は生命の設計図の情報を全て使っているのではなくて、必要な部分を必要な量だけコピーを取って使っているとご説明いたしました。では、どんなときに、どれだけの量を作れば良いのでしょうか?実は、この「いつ、どれだけの量を」という情報こそが、生命の設計図に描かれているもう一つの大切な情報なのです。まとめると、生命の設計図に描かれている情報はタンパク質の設計図だけではなくて、RNAにコピーする量を調節する情報も描かれているということです。このようにRNAに転写する量をコントロールすることを「転写調節」と言います。この転写調節というDNAに描かれた情報を解読することがDr. Kazuこと私の専門です。

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 DNAにはタンパク質の設計図だけではなくて、どれだけRNAに転写すれば良いのか量をコントロールする情報も描かれているとご説明しましたが、DNAに描かれた転写調節の暗号はどんなしくみで働いているのでしょうか?実はDNA描かれた暗号を見つけてDNAに結合するタンパク質があり、コイツがRNAにコピーする枚数を調節しているのです。このようにRNAへのコピー量を調節するタンパク質のことを「転写調節因子(てんしゃちょうせついんし)」と呼びます。ここで上の図を見て下さい。上の図ではDNAに描かれた転写量を調節する暗号は「TGACGTCA」です。この暗号を見つけて結合している転写調節因子が描かれています。この転写調節因子は近くにあるタンパク質の暗号が書かれた部分(遺伝子)の「コピーを作れ!」という命令を出します。この命令に従ってRNAの量が調節されるのです。ここで、上の図で黒い太い線はDNAの中で何の情報もかかれていない部分を表しています。ここで、車の設計図を思い描いてください。紙には設計図が描かれていますが、何も描かれていない空白の部分もいっぱいあるハズです。もしも、白紙の部分が全く無くなるほど描いてしまったら、真っ黒になってしまいます。同じようにDNAにも空白部分が存在します。というか、DNAのほとんどの部分は空白部分であり、タンパク質の設計図や量を調節する情報が点在しているという感じです。転写調節因子にもいっぱい種類があって、それぞれの因子によって結合するDNAの暗号が違っています。ちょっとややこしく思うかもしれませんが、この転写調節因子もタンパク質ですから、DNAの中に設計図が描かれていてそこから作られているのです。

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 生命科学入門編のまとめ・・・・・DNAという生命の設計図には、「タンパク質の設計図」と「RNAに転写する量を調節する情報」が描かれています。そして、転写調節因子というタンパク質がDNAのが転写量を調節する暗号に結合して、「コピーしろ!」と命令を出します。この命令を受けて、DNAに描かれたタンパク質の設計図がRNAni転写されます。転写されたRNAの情報に従ってタンパク質が合成されます。こうして作られた3万種類のタンパク質が私たちが生命活動を営む上で中心的な役割を担っているのです。どうですか?生命の設計図についてわかりましたか?ヒトゲノム計画というのがあって、人の遺伝暗号はすべて明らかになったといわれています。しかし、明らかになったのは4つの文字がどのような順番んで並んでいるかがわかっただけで、全ての暗号の解読まではまだmだ至っておりません。そのなかで、タンパク質の設計図を解読するのは比較的難しくなく、近い将来に人の3万種類のタンパク質の設計図が明らかになでしょう。しかし、「RNAに転写する量を調節する情報」を解読するのは非常に難しく、その解析法を開発することこそが私の研究テーマなのです。

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